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【ロールモデル】 下川 孝子 共同獣医学部 臨床獣医学講座 助教

経験を生かした実践的な研究

shimokawaforweb.jpg下川 孝子 Takako Shimokawa
山口大学 共同獣医学部
臨床獣医学講座 助教

<略歴>
東京工業大学生命理工学部卒業後、山口大学農学部獣医学科入学。同大学院連合獣医学研究科修了。博士(獣医学)。鹿児島大学共同獣医学部附属動物病院特任助教を経て、2013年より現職。

<研究内容>
山口大学動物医療センターにおいて、イヌ・ネコの腎臓、膀胱、前立腺などの病気の診断と治療を行うと同時に、診断や治療が難しい内科系疾患においてブレークスルーとなるような治療法の確立を目指した研究を行っている。

目に見える成果を求めて
 高校卒業後、都内の大学の生命理工学部に進学し、分子生物学を学びました。分子生物学とは、分子のはたらきを用いて生命現象を明らかにする学問です。研究自体は面白かったのですが、その成果が直接どのように世の中の役に立つのかがよく分からず、研究成果を実感してみたいと感じていました。当時、動物を飼っており、その生態に興味があったことも影響して、大学卒業後、本学の獣医学科に再び進学しました。
 研究の面白さに目覚めたのは、大学3年のとき。獣医内科学の研究室に所属したのがきっかけです。実際に動物の診療に携わることで、まだ解明されていない病気のメカニズムや治療法があることを知り、直接臨床にフィードバックできる研究をしたいと考えるようになりました。

臨床と研究の相乗効果を目指して
machineforweb.jpg 現在は、大学の動物医療センターにおいて診療業務を行いながら、日々の診療で直面する動物の病気について、発症のメカニズムや診断法、治療法に関する研究を行っています。主なテーマは、イヌ・ネコの腎臓病について。腎臓病の早期発見につながるマーカーの発見や、病気を進行させない安全で高度な治療法について探っています。臨床で得た課題を研究につなげ、研究の成果を臨床にフィードバックすることで、病気の予防など、良い相乗効果が生まれることを期待しています。
 研究とは、バラバラになっているパズルのピースを一つひとつはめていく作業のようなもの。謎を紐解き、誰も知らない答えを見つけたときの快感は、何ものにも代えがたいものです。予めゴールが用意されているわけではないので、今自分が行っていることが正しいのかどうか悩むときもあります。しかし、試行錯誤しながら未知のものを解き明かしていくことは、研究者のみが味わえる醍醐味だと感じています。(上写真:小動物用の血液透析装置)

迷ったときは立ち止まる勇気も必要
 結婚後は意識して時間をつくるようになりました。急患や入院中の動物がいるとき以外は、なるべく早めに仕事を終えるように心掛けています。家事は夫と分担しているので、日常的な負担はかなり軽減されているように感じます。
 論文や学会発表など、研究の世界においては、共通語として英語を使うのが常識です。海外の研究者とうまくコミュニケーションがとれれば、交流関係が広がり、思わぬチャンスが転がりこむこともあります。英語をコミュニケーションツールとして、人とのつながりを広げることも、研究を進める上では必要なことだと思います。
shimokawaneko (135x150).jpg 信じていたことが違っていたり、進む道が見えなくなったり...。そんなときは立ち止まって考えてみることも必要です。何かを始めるのに遅すぎるということはありません。それに、回り道も悪くないと思います。私自身、東京で過ごした最初の学部での4年間は、無駄ではなかったと感じています。
 研究を行う上で性別を気にすることはほとんどありません。後輩の皆さんには、ぜひ研究職も視野に入れてほしいですね。(右写真:家族の「なな」。一緒にいるときが至福のひととき。)