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【ロールモデル】 児玉 有紀 島根大学 准教授 (本学理工学研究科修了)

未知の世界に挑戦する面白さ

kodama yuuki.jpg児玉 有紀  Yuuki KODAMA 
島根大学生物資源科学部生物科学科 准教授

<略歴>
 
山口大学理学部自然情報科学科卒業。同大学大学院理工学研究科博士前期課程自然情報科学専攻を早期修了。同研究科博士後期課程修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員、高知大学教育研究部助教を経て、島根大学生物資源科学部に着任。2012年より現職。

<研究内容>
midorizourimushi.tif 
ミトコンドリアや葉緑体を生み出す細胞内共生は、真核細胞の進化の原動力となっているが、その仕組みは明らかにされていない。そこで、ミドリゾウリムシとクロレラとの共生系を用い、細胞内共生が成立する条件を明らかにしようと試みている。
(右: ミドリゾウリムシ Paramecium bursaria)


出逢いに支えられて
 
小さいころから母親に買ってもらった顕微鏡で水の中の小さな生物を観察するのが好きでした。中学生のとき、教育実習に来られた先生の姿を見て、「理科の女性の先生って素敵だな」と憧れを抱くようになりました。
 高校の生物の授業で、リン・マーギュリス博士の提唱した「細胞内共生説」を初めて知った日のことは鮮明に覚えています。細胞内共生を専門に研究されている先生がいらっしゃることを知り、山口大学への進学を決めました。そのうちのお一人が、恩師である藤島政博先生です。振り返ってみると、良い先生との出逢いに導かれて、今の私があるように思います。

誰もやっていないことを研究することに価値がある
 大学3年生のとき、藤島先生の講義を受けたことが転機となりました。それまでは、細胞内に共生している生物を取り除くと、宿主は弱ったり死んでしまったりすると理解していたのですが、ミドリゾウリムシは生存できることを知り、衝撃を受けました。さらに、まだ研究が進んでいない分野だと知り、「誰もやっていないなら私がやろう」と奮起して研究をスタートさせました。

夢中になれるものを見つけた喜び
inouesho.jpg 研究では新たなデータが得られることに感動しました。その一方で、顕微鏡をのぞいたり、図書館にこもって文献を調べたりする毎日だったため、最先端のことを研究しているという実感は沸きませんでした。自信が持てるようになったのは修士1年生のとき。中国で行われた国際原生動物学会議で、数十年前の結果を覆す研究成果を発表し、日本人として初めて「ベスト・プレゼンテーション賞」を受賞したことが、大きな励みになりました。涙が出るくらいうれしかったですね。そこまで夢中になれるものを見つけられたのは、生まれて初めてのことでした。
(右の賞状は、博士論文の成果により受賞した「井上研究奨励賞」)

研究者、そして教育者として
 
20代のころは、周りの友人たちの就職等が次々に決まっていったりすると、焦ったり不安になったりすることもありました。でも、研究に没頭するうちに、これが私の生きがいなのだと確信できるようになりました。やはり、研究で得られる喜びは、何物にも代え難いですね。ここまで研究を続けてこられたのは、恩師や家族の支えがあったからだと、心から感謝しています。

kojimashumi.jpeg 私ができることは限られていますが、論文をたくさん残すことで、少しでも社会の役に立つことができれば良いなと思っています。今は、研究者として、教育者として、恩師である藤島先生と同じ道を歩めることをとても幸せに感じています。恩返しの意味も込めて、研究に意欲を燃やす学生を育てていきたいと思っています。


(左は、趣味のビーズ手芸と、それを見つめる愛犬の「きい」)